●「クワタを聴け!」感想
以前にも書いた、桑田作品の批評本「クワタを聴け!」。ようやく読破したので感想に毛が生えたようなものを書いてみたいと思います。これから読んでみたい、という方は見ない方がいいかもしれません。
洋楽・ジャズに精通した著者は、その曲の音に対してあらゆるアーティスト名や曲名を持ち出して桑田作品を表現しようとする。「自分はこれまでこんなに聴いてんだぞ」的な、半ば自慢とも取れる知識のひけらかしは著者の言葉を借りるなら「あざとい」と感じた。歌の情感・質感・佇まいは全く伝わらず(伝えず)、そういったジャンルや誰それっぽいと言った音の例えに終始するところは、音楽マニアにありがちな過ちと映った。知り過ぎてる故に、歌の持っているパワーや温度が見えなくなってしまったのではないかと思う。
まずなぜ、今回桑田さんの作品を取り上げたのか?そこに愛があればまだ著者の「全曲批評」の意図も分かるのだが、実質は売りたいだけのものだったと思う。もし本当に桑田作品が好きであれば五つ星などというもので決して評価は出来ないし、批評するだけして後はお構いなしと言った姿勢も伺えて後味が悪かったのも確かだった。その割には一つ星は無くファンに媚を売ってるようにも見えるし。やはりビジネスなんだろうなと…。
著者はこの本でロックに対してとても熱く語っているが、その著者なりのロックの定義が全く説明されていないので何とも空回りしている。ロックは英語が上手く、不良で、そもそも日本人なんかは絶対無理、と言いたげ。著者は相当英語が堪能と見えて、私の大好きなKUWATA BANDのアルバム「NIPPON NO ROCK BAND」などの英語の発音に対してボロクソに書いている。(というか他の英語詞の曲についても終始。)初めに発音ありきな著者なのでどんな曲だろうが低評価。発音が良くなきゃロックじゃない、と言うような著者の固定概念の強さが分かる。「デタラメなロックがやりたかった」という桑田さんの言葉は聞いてなかったようだ。私は桑田さんにもビートルズにもロックを感じるし、美空ひばりにもロックを感じる。ロックはこうじゃなきゃ、ということ自体ナンセンスだ。
しかし原坊に関してはいずれも大絶賛。単なる「ハラボー」(あえてカタカナ)好きな人らしい。もちろん高評価なのはファンにとって嬉しいが、やはりここでも固定概念のため客観視出来なくなっているように思う。もうベタボレ、と言った感じだ。
そもそもこういった他人の作品を批評して金を得るといったやり方が、私が気に食わなかった最大のものかもしれない。これだったらそれこそ、ブログなんかで広く無料で見てもらい議論する方が健全で気持ちがいい。絶賛しようが貶そうが、金を取るようなレベルじゃないように思った。
こんなんなら私も本を出してみたいなぁ、と思わせてくれた本。

コメント
ブラボー!
何度読んでも溜飲が下がるね☆
Posted by: minako。 | 2007年03月13日 19:43
★minako。
思ったことの少しでも伝われば、という意味で本音で書きました。
褒められた文章でもないけど(笑)。
Posted by: ビデ | 2007年03月14日 00:05
最近ネット上で星の数ほど見られる「素人のくせに偉そうにレビューしているプログ」よりは
遥かに面白かった。
サザンのパクリ元も多く書いてありまあ為になる。
最近のサザンに辛口なのも納得。
キラーストリートとか酷いで出来だし。
まあでも確かにサザンファンからしたら気持ちよくは思えない文章もあるかもね。
点数はいらなかったかな。
この著者、確かにひとりよがりなところもあるからw
Posted by: まっち | 2007年03月25日 17:05
★まっちさん
コメント有難うございます。
実はこの記事を投稿した時、まっちさんのような意見の方も来るかも、と予想してました。
私も含めて「素人のくせに偉そうにレビューしているプログ」は、本当に自由だと思うし報酬も何も無く好きに書いています。
まっちさんが「キラーストリート」が酷い出来というのと同じように、です。
この本も「素人のくせに偉そうにレビューしているプログ」だったら良かったのにと思いました。
まっちさんは「パクリ元も多く書いてありまあ為になる」と書いてますが、それについてある程度聴かれましたか?
合ってるのもあれば間違ってるのもあると思いますが、私は、桑田さんが影響を受けた膨大な曲達の道標だと思ってます。
そしてそれは、次の世代へと繋がって行くような気がします。
まっちさんも1曲でいいので作ってみてください。
きっと、好きなアーティストに似たような作品になってしまいますよ。
なぜなら、そのアーティストのセンスが好きだからファンになると思うのです。
最後に、初めての場所では書き方に注意しましょう。
最低限のマナーは守って、語り合いましょうね。
Posted by: ビデ | 2007年03月25日 20:56